中四国エイズセンター
HIV/AIDS(エイズ)のこと

エイズ関連用語集 ver.9

エイズウイルス AIDS virus

【概要】エイズの原因となるウイルスを示す“マスコミ用語”であり、本来は『HIV(Human Immunodeficiency virus)』という語を使用することが望ましい。詳しくは、『HIV』を参照。

エイズ検査 AIDS test

【概要】エイズの原因となるHIVの検査を示す一般用語。本来は『HIV検査』という用語が適切である。詳しくは、『HIV検査』を参照。

エイズ指標疾患 AIDS definitive diseases

【概要】厚生労働省エイズ動向委員会の「サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準(1999年)」によると、HIV感染者であり、次にあげる23の指標疾患の1つ以上が明らかに認められる場合にエイズと定義する。1. カンジダ症 2. クリプトコッカス症 3. コクシジオイデス症 4. ヒストプラズマ症 5. ニューモシスチス肺炎 6. トキソプラズマ脳症 7. クリプトスポリジウム症 8. イソスポラ症 9.反復性化膿性細菌感染症 10. サルモネラ菌血症 11.活動性結核 12. 非結核性抗酸菌症 13. サイトメガロウイルス感染症 14. 単純ヘルペスウイルス感染症 15. 進行性多巣性白質脳症 16. カポジ肉腫 17.原発性脳リンパ腫 18.非ホジキンリンパ腫 19.浸潤性子宮頸癌 20. 反復性肺炎 21. リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成 22. HIV脳症 23. HIV消耗性症候群(全身衰弱又はスリム病)

エイズ治療・研究開発センター ACC: AIDS Clinical Center

【概要】薬害HIV訴訟の和解の結果、国立国際医療研究センター の中に設置された治療と研究のための組織。“ACC”と呼ばれている。ACCは外来・病棟・治療開発室・医療情報室、(薬害)救済支援室の5部門からなる。国内外のHIV感染症治療・研究機関との連携のもと、HIV感染症に対する高度かつ最先端の医療提供とともに、新たな診断・治療法開発のための臨床研究・基礎研究を行う。また、日本におけるHIV感染症診療の水準向上を図るために、最先端の医療情報の提供や、医療従事者に対する研修を行っている。

エイズ治療薬研究班 The Clinical Study Group for AIDS Drugs

【概要】海外で標準とされる治療薬があっても、国内では臨床開発が断念され市販されていないものがある。このため厚労省の研究班で「国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係わる応用研究(研究代表者:東京医大、天野景裕)」を通じて無償提供が行われている。研究班による“個人輸入”であるため資金に限りがある。また未承認薬なので副作用被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度は使えない。さらに使用に当たっては、各施設の倫理委員会の承認が必要である。

エイズ発生動向調査 HIV/AIDS surveillance system of Japan

【概要】1984年に始まった調査であり、HIV感染者あるいはAIDS患者を新規に診断した医師に報告が義務付けられている。1999年3月までは「後天性免疫不全症候群予防に関する法律(エイズ予防法)」、1999年4月からは「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(新感染症法)」に基づいて全数把握の5類感染症となった。重複を避けるため、HIV感染者が後にエイズ発症してもエイズとしては届けられない。またAIDS患者・HIV感染者が死亡した場合、転居や帰国した場合の届け出は義務化されていない。

エイズ予防指針 Guideline of national policy for the specific infectious disease

【概要】社会全体で総合的なエイズ対策を実施するために厚生労働省より通知されている指針。正式名称は「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」。5年ごとに見直しが行われ、現行は平成30年1月から施行されており、令和5年に改訂される。基本的な考え方と施策の3本柱は次の通りで、厚労 省の予算要求の根拠になっている。[1]基本的な考え方:(1)疾病概念の変化に対応した施策展開、(2)国と地方公共団体との役割分担の明確化、(3)施策の重点化 [2]施策の3本柱:(1)普及啓発及び教育:個別施策層に重点をおいた普及啓発等、(2)検査相談体制の充実:利便性の高い検査体制構築(平日夜間・休日・迅速検査等)等、(3)医療の提供: 中核拠点病院の整備を始めとした医療体制の確保。

エイズ予防法 AIDS Prevention Law

【概要】正式には「後天性免疫不全症候群予防に関する法律」(平成元年1月17日、法律第2号)という。もともと見直しを必要とする時限立法であった。平成11年3月末に廃止され、感染症新法に受け継がれた。

液性免疫 Humoral immunity

【概要】抗原抗体という蛋白がくっついて、抗原を排除しようとする免疫の仕組み。抗体は血清という液体に溶けた形で存在するので液性免疫という。ヘルパーT細胞の命令によってB細胞が抗体を作る場合(1回目)と、B細胞が直接反応して作る場合(2回目以降:既往反応、anamnestic response)がある。抗体の本態は免疫グロブリンという蛋白で、化学構造でIgG、IgA、IgM、IgD、IgEという種類にわかれる。

エサンブトール®錠

【略号】EB

【概要】抗結核薬。『エタンブトール』の商品名。詳細は、『エタンブトール』を参照。

エスカゾール®錠

【概要】原虫感染症の中のミクロスポリジウム症(包虫症)の治療薬。『アルベンダゾール』の商品名。詳細は、『アルベンダゾール』を参照。

エタンブトール

【商品名及び略号】エサンブトール錠、エブトール錠 EB

【用法・用量】肺結核及びその他の結核症:1日量0.75〜1gを1〜2回に分けて経口投与。MAC症を含む非結核性抗酸菌症:1回0.5〜0.75gを1日1回経口投与。

【概要】抗結核薬。

【副作用】皮膚炎、関節痛、吐き気、痒み、頭痛、めまいなど。他に重篤なものでは肝障害、視力障害。

エプスタイン・バー・ウイルス Epstein Barr virus

EBウイルス』を参照。

エブトール®錠

【略号】EB

【概要】抗結核薬。『エタンブトール』の商品名。詳細は、『エタンブトール』を参照。

エルビテグラビル

【略号】EVG

【概要】日本たばこ(JT)が開発したインテグラーゼ阻害薬。生体内では肝臓の薬物代謝酵素CYP3Aによって代謝される。エルビテグラビルの効果を高めるコビシスタット(cobi)と併用することにより1日1回服用を実現した。さらにテノホビルジソプロキシルフマル酸塩エムトリシタビンを加えて4剤を配合剤化して、スタリビルド®(Stribild®)配合錠という商品名で発売に至った。ゲンボイヤ®(Genvoya®)配合錠ではテノホビルアラフェナミドフマル酸塩とエムトリシタビンを加えて4剤の配合剤となっている。

エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドフマル酸塩

【商品名及び略号】ゲンボイヤ®配合錠 EVG/cobi/TAF/FTC

【用法・用量】1回1錠を1日1回食後に経口投与。

【概要】抗HIV薬インテグラーゼ阻害薬エルビテグラビル』とインテグラーゼ阻害薬の血中濃度を高く維持する『コビシスタット』、核酸系逆転写酵素阻害薬エムトリシタビン』、『テノホビルアラフェナミドフマル酸塩』の配合剤。

【副作用】腹部膨満感、下痢など。

【その他】相互作用が多いため、飲み合わせに注意が必要。

エルビテグラビル/コビシスタット/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン

【商品名及び略号】スタリビルド®配合錠 EVG/cobi/TDF/FTC

【用法・用量】1回1錠を1日1回食事中または食直後に経口投与。

【概要】抗HIV薬インテグラーゼ阻害薬エルビテグラビル』とインテグラーゼ阻害薬の血中濃度を高く維持する『コビシスタット』、核酸系逆転写酵素阻害薬エムトリシタビン』、『テノホビルジソプロキシルフマル酸塩』の配合剤。

【副作用】腹部膨満感、腎機能障害、骨密度低下、下痢など。

【その他】相互作用が多いため、飲み合わせに注意が必要。

遠位性対称性多発性神経障害 DSP: Distal Symmetrical Paresis

【概要】末梢性神経障害の一つ。進行した成人のエイズ例では3分の1で発生するという。しびれ感、灼熱感、足の刺痛などが左右対称性に起こる。生命に別状はないが患者を悩ませる。薬剤性としては逆転写酵素阻害薬(ddI,ddC,d4T)によるミトコンドリア障害が多い。

炎症 Inflammation

【概要】病理学用語。体の組織の火事。組織が障害されると局所に死んだ細胞の成分が漏れたり、血流がとだえたり、血液成分がにじみでるなどの病的変化が生じる。この病変をもたらした刺激を除き、病巣を修復する生体の一連の反応を炎症という。炎症反応には炎症細胞(色々な白血球など)が分泌する様々なサイトカインケモカイン、凝固系、キニン系が介在している。HIVの存在自体で、局所では炎症性サイトカインが発生し、酸化的ストレスがかかるため動脈硬化病変が進むという。また、高脂血症治療薬のスタチンにはこれを抑制する可能性があるという。

炎症性サイトカイン Cytokines, proinflammatory

【概要】サイトカインは細胞どうしが連絡をとりあう信号。炎症を「体の中の火事」と考えると、火の手を強めるものが炎症性サイトカイン。炎症を強め機能障害や細胞・組織の崩壊をもたらす。近年、アテローム動脈硬化症の病態として、またHIV領域ではHIV関連神経認知障害(HAND)の関連で注目されている。

炎症性脱髄性多発性神経障害 IDP: Inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy

【概要】HIV感染症で稀に発生する神経症状。進行性の筋力低下と知覚異常で、深部反射は消失する。他の病気と区別するために脳脊髄液の検査が必要。急性のものはサイトメガロウイルス、慢性型は自己免疫による考えられる。前者にはガンシクロビルホスカルネットシドフォビルなどのサイトメガロウイルス治療剤が使用される。後者には副腎皮質ステロイド血漿交換、ガンマグロブリン大量療法が試みられる。

エンテカビル

【商品名及び略号】バラクルード®錠 ETV

【用法・用量】1回0.5mgを1日1回、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口投与。

【概要】B型肝炎の治療薬。核酸系逆転写酵素阻害薬

【副作用】頭痛、下痢白血球減少など。

【その他】抗HIV効果もあるため、単剤使用では耐性HIVを誘導する。B型肝炎の治療前にHIV 重(複)感染の有無を必ず調べることが大切。

エントリーインヒビター Entry inhibitor

侵入阻害薬』を参照のこと。

エンフュヴァタイド

【商品名及び略号】フュージオン ENF

【用法・用量】1回90mgを12時間毎に皮下注射。

【概要】抗HIV薬。侵入素阻害剤。日本では未発売。

エンベロープ Envelope

【概要】ウイルスの中には人間の細胞から飛び出すときに、人間の細胞膜を自分の一番外側の膜に利用しているものがある。これをエンベロープと呼んでいる。脂質二重層であるが、これにウイルス由来の表面蛋白や、時には人間由来の膜蛋白が埋まっている。HIVのエンベロープにある蛋白はgp120、gp41、gp160(前2者の複合体)がある。gp120にはさらにv3ループという変わりやすい構造がある。この部分を完全に中和できれば、HIVの感染性を抑えることも可能と言われている。

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