中四国エイズセンター
HIV/AIDS(エイズ)のこと

エイズ関連用語集 ver.9

ファムシクロビル

【商品名及び略号】ファムビル®錠 FCV

【用法・用量】単純疱疹は1回250mgを1日3回5日間、帯状疱疹には1回500mgを1日3回7日間の内服。

【概要】単純疱疹・帯状疱疹の治療薬

【副作用】下痢、悪心嘔吐、発疹、めまい、眠気、頭痛、倦怠感など。

ファンギゾン®シロップ

【概要】抗真菌薬。ポリエンマクロライド系『アムホテリシンB』の商品名。詳細は、『アムホテリシンB』を参照。

ファンシダール錠

【概要】マラリア治療薬のファンシダール錠は、サルファ薬のスルファドキシンと、葉酸拮抗薬のピリメタミンの2成分が配合されているが、現在販売終了している。詳細は、『ピリメタミン』を参照。

ブイフェンド®錠、ブイフェンド®静注用

【略号】VRCZ

【概要】アゾール系抗真菌薬『ボリコナゾール』の商品名。詳細は、『ボリコナゾール』を参照。

ブースト Boost

【概要】作用を強めること。強めるモノは「ブースター」と呼ばれる。Aという薬が主薬で、Bという薬を同時に使用したとき、A+B=2ではなく、A+B=4のような効果をもたらす場合にBはブーストしたという。また同じワクチンを2回、3回と接種を繰り返し、記憶を強める場合もブースト効果という。リトナビルコビシスタットは、チトクロームP450の3A4を阻害することによりブースターとして利用されている。うまく利用すると薬のピーク値を上げないで、しかもトラフ値を上昇させることができ、薬の使用量も減らせる。ブーストされるものとしてはロピナビルアタザナビル硫酸塩ダルナビルエタノール付加物エルビテグラビルなどがある。患者にとっては、有効性を保ったまま副作用が減り、さらに服薬回数や錠剤数が減り利便性が高まる。

フォスカーネット Foscarnet; Foscavir, PFA

抗ウイルス薬。『ホスカルネット』を参照。

副作用 Side effect

【概要】多くの薬物は治療目的とは異なる作用がある。WHOは副作用を「疾病の予防、診断、治療、または生理機能を正常にする目的で医薬品を使用した時、人体に通常使用される量によって発現する、有害かつ予期しない反応」と定義している。薬物療法上での過誤、薬物乱用、および薬物中毒は毒性作用であり、狭義の「副作用」ではない。一方、薬の期待した作用を主作用、期待しない作用を副作用とし、有害な副作用を有害作用とする立場もある。また最近は、早期に起こる副作用を“副反応”と呼ぶ場合もある。薬の副作用で使用量に関係がないのは薬物過敏症で、重篤なものが多い。薬物過敏症の予測は困難で、該当する薬剤をただちに中止する以外に回避法はないため、的確な判断と処置が医師に要求される。添付文書での副作用の記載は、「使用上の注意の項」に記載されている。副作用の発現頻度は、0.1%未満を「稀に」、0.1〜5%未満を「時に」と表現し、副詞がないものは「5%以上または頻度不明」となっている。

副腎皮質ステロイド Corticosteroids; Glucocortico steroids, Steroids

【概要】副腎で合成されるステロイドホルモンには、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、副腎アンドロゲン(男性ホルモン)がある。この中の糖質コルチコイドのことを、副腎皮質ホルモン=副腎皮質ステロイド=ステロイドと呼んでいる。作用には、1)抗炎症作用、2) 免疫抑制作用、3)代謝作用、4)中枢神経作用、5)その他がある。薬としては人工的に化学的な修飾を加えてあり、より強力で長時間作用できるものがある。経口、注射、外用、点眼など多様な剤型があり、臨床使用範囲が広い。また短期的、長期的な副作用も非常に多彩である。エイズ/HIV感染症での使用は、薬疹などのアレルギーニューモシスチス肺炎の低肺機能、免疫再構築症候群、中枢神経リンパ腫の脳浮腫、副腎炎による副腎不全、神経疾患、食欲改善など。副作用は、1)胃・十二指腸潰瘍の誘発、2)免疫能を抑えるためHIV感染症の進行や感染症の誘発、3)糖尿病・骨粗鬆症誘発、4)精神障害(多幸、うつ)、5)高血圧、6)満月様顔貌・体型変化・ニキビ・多毛、7)月経異常、8)白内障など。また長期使用で自分の副腎皮質が萎縮してしまうので、急に中止すると副腎での再生産開始が間にあわず、急性副腎不全が発生するので、階段状に減量・中止する。

複製 Replication

【概要】ウイルスの増殖のこと。ウイルスが増えるときは、宿主細胞の中で細胞の装置や材料を利用しながら、自分と同じものを作らせる。HIVは数時間と言われている。

服薬支援 Assistance of medication

【概要】患者や家族に医師や薬剤師が薬剤の保存法・使用法、副作用の種類と対処の仕方などについて支援すること。保険医療では「療養担当規則」によって服薬指導という言葉が規定されている。薬学的な知識をバックボーンにしながら、対人コミュニケーションの知識と技術を習得して患者と良好な人間関係を築く必要である。HIV感染症の領域では「HIV感染症専門薬剤師制度」がある。

不明熱 Fever of unknown origin

【概要】38.5°C以上の発熱が3週以上続き、1週間の入院精査でも原因不明のもの。最終的には何かの感染症やがみつかることが多い。各種の画像診断や、組織を生検したり、血液や骨髄血の培養が必要である。その他、薬の副作用で発熱が出てくることもあり、服薬を中止すると消失する。

フラジール®内服錠、フラジール®膣錠

【略号】MNZ

【概要】抗原虫薬。『メトロニダゾール』の商品名。詳細は、『メトロニダゾール』を参照。

ブリップ Blip

【概要】抗HIV療法によりウイルス量が検出限界以下に抑制された後、一過性に100コピー/mL前後の低値が観察され、また再び検出限界以下になること。検査法の感度を上げるほど、ウイルスが検出される可能性はある。体内からHIVが消滅することはないので、瞬間的に測定される場合がある。治療失敗の前兆かもしれないが、ブリップの正確な意義づけは定まっていない。

プロウイルスDNA Proviral DNA

【概要】宿主細胞の核の中の遺伝子に組み込まれたウイルス由来のDNAのこと。HIVの遺伝子はRNAで、逆転写酵素でDNAの形にコピーされ、インテグラーゼによって人間の遺伝子DNAのどこかに組み込まれる。だからプロウイルスDNA自体は眠っている遺伝子でありウイルスそのものではない。何らかのスイッチが入ったら、DNAは翻訳され、ウイルス複製に向かうことになる。末梢単核球中のプロウイルスDNAはPCR法で検出する。検出されたプロウイルスDNAは必ずしも完全なウイルスとは限らず、一部分が切れてしまった不完全ウイルスである可能性もある。

フローサイトメトリー法 FCM: Flowcytometry

【概要】CD4陽性細胞数など、流体の中の細胞数を数える技術。非常に細いガラスの管の中を、ばらばらになった細胞が1個ずつ流れるようにする。あらかじめ細胞を、別々の蛍光色素をつけたCD4CD8に対するモノクローナル抗体と反応させておき、レーザー光線をあてると、それぞれのCD4やCD8の抗原を持った細胞が緑やオレンジに光って、色が違う細胞群の数を数えることができる。

ブロック拠点病院 Regional AIDS Center

【概要】平成8年3月の薬害HIV原告団と厚生省の間の和解条項が端緒となる。厚生省の通知「エイズ治療の地方ブロック拠点病院の整備について」(平成9年4月25日)によると「高度な診療を提供しつつ、臨床研究、ブロック内の拠点病院等の医療従事者に対する研修、医療機関及び患者・感染者からの診療相談への対応等の情報提供を通じ、ブロック内のエイズ医療の水準の向上及び地域格差の是正に努める」とある。つまり拠点病院との大きな違いは、(1)臨床研究、(2)研修、(3)情報提供にある。

【詳しく】全国は8つのブロックに分けられ、北海道ブロック拠点病院は北海道大学病院・札幌医科大学附属病院・旭川医科大学病院の3病院。、東北ブロック拠点病院は国立病院機構仙台医療センターの1病院。関東甲信越ブロック拠点病院は新潟大学医歯学総合病院・新潟県立新発田病院・新潟市民病院の3病院。東海ブロック拠点病院は国立病院機構名古屋医療センターの1病院。北陸ブロック拠点病院は石川県立中央病院の1病院。近畿ブロック拠点病院は国立病院機構大阪医療センターの1病院。中国四国ブロック拠点病院は広島大学病院・県立広島病院・広島市民病院の3病院。九州ブロック拠点病院は国立病院機構九州医療センターの1病院が担当している。事業予算としては厚生労働省からのエイズ対策事業、指定研究事業として科学研究費からの配分を受けている。

プロテアーゼ Protease

【概要】タンパク分解酵素のこと。タンパクは多数のアミノ酸がペプチド結合をした物質。ウイルスの構造や酵素を作るタンパクも、始めはアミノ酸が一列に並んだもの。これを切りそろえて成熟したタンパクにする“はさみ”の役割がプロテアーゼである。HIVのプロテアーゼを阻害してその複製を抑制するプロテアーゼ阻害薬があり、1990年代半ばに使用できるようになってから、患者・感染者の予後が劇的に改善した。

プロテアーゼ阻害薬 Protease inhibitor

【概要】HIV感染細胞の中でHIVの部品が作られる時、HIV蛋白(gag-pol)を切り出す“はさみ”の役割がHIVプロテアーゼ。はさみの刃にはまり込んで働きを邪魔する薬があれば、成熟HIVができない。プロテアーゼ阻害薬は成熟した感染性のHIV ができるのを食い止めることになる。

【種類】1990年代の後半から2000年代の前半まで、HAARTと呼ばれる有効な治療の時代を築いた。少数のアミノ酸変異では耐性化しにくいのが特徴。但し、食後内服や薬物濃度を上げるブースターと呼ばれる薬剤と一緒に服用する必要があるなど、制約がある。現在はインテグラーゼ阻害薬にその地位を奪われている。プロテアーゼ阻害薬に共通する副作用が注目されている。原因は必ずしも明らかではない。頻度としては消化管障害、皮疹、脂質異常症が多い。(1)糖代謝異常ではインスリン抵抗性、高血糖、糖尿病がある。(2)脂質代謝異常として、高脂血症、リポジストロフィーつまり脂肪萎縮脂肪蓄積(内臓脂肪、野牛肩、女性化乳房)がある。(3)無腐性骨壊死、(4) 血友病の出血傾向の増加。

プロベネシド Probenecid

【概要】尿酸排泄促進薬の一つであり、尿中への尿酸排泄を増加させる。痛風および高尿酸血症の治療に用いられる。商品名ベネシッド®錠。一部の医薬品について腎臓からの排泄を競合的に阻害し、血中濃度を増加させて作用時間を延長させるため、ペニシリンの内服薬と併用されることがある。

【用法・用量(ペニシリン内服薬との併用)】1回500mg〜750mg、1日3〜4回。

【副作用】食欲低下、胃部不快感。非常に稀ではあるが重篤なものとして、溶血性貧血、アナフィラキシー反応、肝臓壊死、ネフローゼ症候群。

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