中四国エイズセンター
インフォメーション

スタッフブログ

第5回中国四国地方HIV陽性者の歯科医療体制構築のための研究会議を開催したんよ!

とっても前の報告となりますが、昨年10月に開催しました会議について報告いたします。
平成26年10月26日(日)「中国四国地方HIV陽性者の歯科医療体制構築のための研究会議」が広島大学病院大会議室にて開催されました。今回で5回目になります。
対象者は、中国四国地方のエイズ診療拠点病院に勤務しHIV陽性者の歯科医療に携わっている、もしくはこれから携わる予定の医療機関に勤務している歯科医療従事者です。さらに、各県歯科医師会会長からの推薦を受けた歯科医師も参加し、当日の参加者は計27施設より、45名(歯科医師27名・歯科衛生士18名)でした。
この会議は、歯科医療従事者がHIV陽性者の抱える問題を理解するとともに、拠点病院歯科領域、地域歯科医師会のそれぞれが連携する事によってHIV陽性者の歯科医療体制の構築を目的とする会議です。
≪プログラム≫
9:00~    受付開始
9:30~   開会の挨拶
広島大学病院輸血部・医療対策室の藤井輝久先生にして頂きました。(藤井先生には歯科領域の研修会や研究会議等毎回ご協力いただいています・・・ありがとうございます)

9:40~  講演1「HIV診療の現状と展望」
講師:東京医科大学病院臨床検査医科学科 助教 村松 崇先生

HIV感染症治療の急激な変化および暴露予防等についてご講演を頂きました。歯科医療は血液暴露等も多く、参加者がとても気になる分野でもあります。そのため、質疑応答でも多くの手が挙がりました。



11:20~ 講演2「歯科への期待のメッセージ」
講師:大阪HIV薬害訴訟原告団 理事 森戸 克則氏


「消極的あるいは結果的でも医療を受けられないこと自体、とても残念でもありショックなこと」「歯が痛いけど我慢するしかないのか」など、患者さんの立場からの想いを交えながら、ご講演頂きました。
13:00~会議
話題提供「地域におけるHIV歯科診療体制構築のポイント
~行政、歯科医師会、拠点病院の役割について~」
講師:厚生労働科学研究「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究
歯科のHIV診療体制整備」研究班 研究協力者 秋野 憲一先生
(札幌市保健福祉局保健所 歯科保健担当課長)



秋野先生は、はるばる北海道から来広いただき、行政の立場から、地域におけるHIV歯科診療体制構築のポイント(行政、歯科医師会、拠点病院の役割)について、ご講演頂きました。(余談ですが、とてもいい声をされていました)
議題「中国四国ブロックにおけるHIV陽性者の歯科医療体制構築について」(司会:広島大学病院 栗原 英見)
広島大学病院主席副病院長の栗原英見先生の司会の下、中国四国地方各県のHIV陽性患者に対する現状、問題点、前回の会議からの改善点を報告していただきました。



各県の報告では、まだまだ改善する点や問題点はあるようでしたが、積極的に取り組みを行っている県もあり、活発な会議であったと感じました。
15:00~  閉会の挨拶(広島大学病院 栗原 英見)
~おわりに~
歯科診療ネットワークの構築は全国的にも少しずつ広がりが見られます。しかしながら依然として、HIV陽性者に対する歯科診療拒否やプライバシーの留意が徹底できない等の問題が残されているのも現状です。HIV陽性者に対する歯科医療のために必要なことは、歯科医療従事者がHIV感染症に関して正しい知識を有した上で診療に携わることであり、速やかに情報が共有できるよう、拠点病院内問わず、他の病院や地域との医療連携を図ることは非常に重要であると再確認いたしました。
(歯科衛生士 岡田)

アーカイブ

PageUP