中四国エイズセンター
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くろい…

またひらがなで書いてしまった…。
正確にはConference on retroviruses and opportunistic infectionsなので,CROI(くろい)です。International AIDS society (IAS)は,annual conferenceを行っていますが,予防・啓発・施策が中心の学会で,臨床や基礎医学系の人間には物足りないものになっています。それは日本人である我々のみならず,アメリカ人もそのようで,10年以上前からよりacademicな内容の学会をIAS-USAが行っています。それがCROI。
しかし,この学会毎年3月にあるので,年度末で忙しい日本人にとってはなかなか行きづらい,特に科研の報告書とかの時期にどっぷり当たっていますので。
そして,製薬メーカーが持ってくるCROIの発表内容は,「(自社の薬の)○○が,96週で××より非劣性だった」とかいった偏ったもので全くおもしろみもない。
この度,なぜかそのメーカーであるヤンセンが4人の高名な先生にCOIの内容を日本の人たちに紹介して欲しい,と企画したらしく,その報告会が12日東京でありました。
場所はここ。KITTE。
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研究会名は「HIV ee」。
京都大学の高折先生からは,CD4の死には,HIV感染細胞のapoptosisと,非感染細胞のpyroptosisがあること(Nature 505:509, 2014)やstem memory
T細胞がproviral DNAを多く含むreserver の本体である可能性(Nature Med 20:139, 2014)などの発表の紹介がありました。
またACCの岡先生からは,GSK744という皮下注射で1ヵ月に1回の抗HIV薬の開発状況や,HCV感染症でSofusvir+Ledipasvirでウイルスジェノタイプに関係なく97%以上のSVRが見込めるといった内容の紹介がありました。
名古屋医療センターの杉浦先生からは,HIVは宿主DNAのJAK2やXAF2,BACH2といったところにintegrationしやすいといったお話やScience 343, 2014の紹介など。
熊本大学の松下先生からは,7月にΔ32でないドナーから骨髄移植を受けたHIV患者は結局HIVの再燃をみた,といった残念なお話しのご紹介がありました。
全てのご報告が非常に興味深い内容ばかりでした。またそれを分かりやすく解説してくださった4人の先生方,感謝です。
しかし,字面だと分かりづらいでしょうね。来年は,何とか時間を見つけてCROIに参加しませんか。
来年の案内は既に出ています。
CROI2014ホームページ
(室長 藤井)
 
 
 

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