7-1.早期治療
● 重症血友病患者の出血は思い当たる原因がないことがあります。一方軽症患者の出血では、しばしば外傷より数時間から2〜3日経過してはっきり症状が現れてくることがあります。
● 多くの患者は、医療者が血腫として分かる前に違和感を自覚します。できればこの時期に凝固因子製剤を使用します。この時期なら1回のみの輸注でほとんどの出血は止血できます。
● 同じ部位に1ヶ月以内に再出血させないことが大切です。再出血を繰り返すと治りが悪くなったり、あとで弱点となる関節(target joint)を作ってしまうことになります。
● 出血毎に凝固因子製剤を輸注して止血を図る治療を,On demand 療法といい,後述する定期補充療法や予備的補充療法とは区別されます。

7-2.初回輸注と追加輸注【図7-1】
● 早期治療の場合や軽症の出血、抜歯では1回の注射で止血できることが多いです。
● 中等度以上の出血や、少し輸注が遅れたものでは1回ではなく、1日に1〜2回注射して一定レベル以上を維持する方が効果的です。
● 追加輸注は通常、血友病Aであれば半日後に、血友病Bであれば1日後に初回量の半量を輸注します。【図7-1】

【図7-1 凝固因子補充とそれに伴う因子活性の動き】

7-3.定期補充療法
7-3-1.定期補充療法の意義
● 定期補充療法が行われるようになった背景:軽症・中等症は重症型の患者と比較して出血頻度、関節障害発生が明らかに少ないことから、Nilssonらは関節障害の発生や進行を阻止する目的で,重症を軽症化する定期補充療法を試みました。
● 利点:定期補充療法により関節障害の防止、進行遅延効果があり、出血回数の減少による欠席/欠勤日数の減少も認められました。これにより学校生活の充実、成人になった患者の社会貢献も期待できます。
● 欠点:輸注回数が増えるため医療費が高額になります。遺伝子組み換え製剤や充分なウイルス不活化対策が行われている血漿由来凝固因子製剤では安全性は極めて高いと言えますが,新たな病原体に対する監視、警戒は必要です。インヒビターの発生に関しても関連性は少ないと考えられていますが、今後さらなる検討が必要であると思われます。幼児期では持続的な輸注のための中心静脈カテーテルの留置により感染、血栓症、出血のリスクを伴います。
7-3-2.定期補充療法の定義
● 定期補充療法の効果を最大に発揮させるには、2歳未満の早期に開始すること、凝固因子のトラフレベル(最低値)を少なくとも1%以上に保つことが重要です。
一次定期補充療法
a) 開始年齢による定義:2歳未満かつ臨床的に明らかな関節出血の発症前に開始し、成人になるまで長期間、定期的に補充療法を行う治療法です。
b) 初回の関節出血による定義:年齢にかかわりなく関節障害の発症以前に開始し、上記と同様長期間行う方法です。暫定的に過去に1回以下の関節出血(0か1回)の時点で開始します。
二次定期補充療法
● 一次定期補充療法の基準は満たしませんが、成人になるまであるいはそれ以降数年以上定期的に補充療法を行う治療法です。
短期補充療法
● 上記以外,手術後のリハビリテーション時や慢性滑膜炎の治療として行われる数ヶ月程度の短期間の補充療法を指します。また運動会や遠足などのイベントの当日にあらかじめ補充療法を行う方法(予備的補充療法)も短期補充療法に含まれます。
7-3-3.用法用量
● Golden standard(High dose regimen)方式:Malmo groupの方法として、トラフ値を1%以上とすることを目標に、重症血友病Aには25〜40単位/kgを週3回、重症血友病Bには25〜40単位/kgを週2回の輸注を行います。
● Dose escalation方式:個々の患者の薬物動態に基づいた用量の個別化したり、週1回の輸注から開始し開始後に個々の患者の出血エピソードに基づき用量・回数を増加させていく方法です。

7-4.家庭療法・自己注射
7-4-1.概念、目的
● 血友病補充療法の原則は、「できるだけ早く、かつ十分に」です。出血したら患者自身や患児の親が凝固因子製剤を早期に輸注する、家庭療法・自己注射が最良の方法です。
● 日本では昭和58年に保険適応が認められました。
● 出血時の早期補充療法あるいは定期補充療法を医療施設以外で効率よく行うことにより、出血の苦痛、それによる後遺症および慢性障害の発生を予防・軽減することができます。
● 通院による身体的、時間的、経済的負担が減り、社会生活の質の低下を軽減できます。
● 活動内容や行動範囲を広げ、社会面、精神面での自立を促します。
7-4-2.適応
● 誰でも家庭療法・自己注射ができるわけではありません。家庭療法を行うにあたり以下のような適応基準、患者・家族の遵守事項があります。
頻回の輸注にも耐えられる太い血管が何ヶ所かあり、可能なら左右のどちらの手でも自己注射ができる。
血友病についての知識が充分にあり、かつ注射手技を習得できる。(本人もしくは注射施行者が血友病知識のテストなどで合格点を満たす)
輸注による重篤な副作用を起こしたことがない。
定期的(最低3ヶ月毎)に受診し、家庭療法に関して主治医の評価と指導を受ける。また出血症状が強い時や判断に迷うときには主治医に連絡し指示をもらう。
指示された輸注量、輸注方法を守り、治療経過や製剤の家庭内在庫状況を輸注記録表に記録し、病院に定期的に提出する。
製剤は規定の方法で管理し、針や注射器などの医療廃棄物を適切に処理できる。
製剤を、兄弟を含む患者の間で流用したりしない。
● 一般に、家庭療法の開始適齢期は6歳頃、自己注射は12歳頃です。上限はありません。6歳未満でもカテーテル留置を行い、家庭で定期補充療法を行うことがあります。
● 輸注記録表には、出血エピソード(出血部位、程度)、輸注までの時間、輸注量、輸注毎および全体の止血の評価、副作用、併用薬などを記載します。製剤のロット番号の記録(シール貼付)は必ず行って下さい。受診時には製剤の処方量と在庫量(出納表)、主治医への質問事項、主治医からのコメント、指導を記載します。
7-4-3.家庭療法・自己注射の実際【図7-2〜9】
● 清潔操作に充分気を配ります。製剤により付属のセットが若干異なります。添付文書をよく読んで下さい。具体的には以下の通りとなります。

1) 施行者はせっけんと流水で十分手を洗います。これは非常に大切です。

2) 溶解操作や注射器への充填の時に、瓶のゴム部分、キャップ離脱後の針先、注射器の先の部分、翼状針の注射器との結合部分に、手や他のものが当たらないようにします。

3) 溶解は泡立てないようにしながら、図の通り円を描くようにして溶解します。溶解不良で、いつまでも溶液内に固体が混ざっている製剤は使用せず、違う製剤を使用します。溶解不良の製剤は次回病院へ持参します。

4) 注射する部位の近位(肩に近い方)を駆血帯で駆血します。巻き付ける強さは強すぎないように、手首の脈が消えない程度にします。自己注射用の駆血帯は片手で簡単に駆血できる便利なものです。製薬メーカーが供与しています。なおクロスエイトMには、セット内に使い捨ての駆血帯が入っています。

5) 針の穿刺部位はアルコール綿で、よく擦り皮膚の汚れをとります。

6) 針を刺します。針の角度は皮膚に対して30度くらいが適切です。血管に到達したら抵抗がなくなり、血液が逆流します。血液の逆流を確認してから針の角度を水平近くに下げて針が抜けないように少し進めます。

7) 注射速度を守りゆっくりと静注します。

8) 注射が終わったら針を抜き、穿刺部位をアルコール綿などで1分間以上よく押さえて止血します。この圧迫止血が不十分だと、傷口から血管の周りに皮下出血して青あざになります。止血を確認した後、カットバンなどを貼り傷口を保護します。

● 輸注後の後始末も十分気を配ります。他人が使用済みの針で刺したり、血液付着物にふれたりすることは、避けなければなりません。下記の通り分別します。

1) 製剤瓶、溶解液瓶、注射器 → まとめて病院で廃棄
2) 翼状針、溶解針(両頭針) → 専用の針廃棄ボックスに入れて病院で廃棄
3) その他血液付着物 → まとめて病院で廃棄
4) 空箱、ビニール系  → 一般ゴミで廃棄も可
● 輸注後は、患者手帳に輸注日時、輸注量、製剤ロット番号、症状の変化についてきちんと記録します。

【図7-10:輸注セットと廃棄ボックス】

7-5.輸注量の計算法
●正確には体重,ヘマトクリットから循環血漿量を計算しそれに基づいて計算しますが、経験的に次の式が便利です。すなわち、体重1kgあたり1 単位の輸注で第[因子なら2%、第\因子なら1%上昇します。

1) 血友病A:第VIII因子の投与量(U)=上昇期待値(%)×体重(Kg)÷2
2) 血友病B:第IX因子の投与量(U)=上昇期待値(%)×体重(Kg)
● ボーラス輸注(後述)で追加輸注が必要な場合の輸注間隔は,原則的には血友病Aの場合12時間,血友病Bは24時間です。また追加輸注量は初回輸注量の半量です。
● 上記の式によって計算される輸注量はあくまでも目安であり、個々の患者で血中因子レベルをモニターしながら調整することが望ましいです。
● 実際の製剤の使用に関しては、溶解したバイアルの含有量が計算量を超えることがしばしばあります。しかしながら、凝固因子製剤は高価であり、新生児など静注容量に特に注意すべきケースを除いては1バイアル分全てを輸注します。

7-6.各種出血別の補充療法
7-6-1.血友病Aの場合【表7-1】

出血部位

目標因子活性値

初回量

/日,輸注日数

(1)関節

a) 膝,足首

b)

c)

d) その他(肘など)

(2)筋肉

a) 腸腰筋

b) 上下肢の筋肉

c) 頚部の筋肉

(3)皮下

a) 臀部,足底部など

b) 頚部,症状の激しい場合

c) その他(無症状のもの)

(4)頭蓋内出血,大手術

(5)小手術

(6)抜歯など歯科的観血処置

(7)口腔内出血

(8)血尿*1

(9)血便*2

(10)吐血*2

 

30-40%

30-40%

20-30%

20-30%

 

60-80%

30-40%

30-40%

 

30-40%

40-60%

80-100%

60-80%

30-40%

20-30%

30-40%

30-40%

60-80%

 

15-20単位/kg

15-20単位/kg

10-15単位/kg

10-15単位/kg

 

30-40単位/kg

15-20単位/kg

15-20単位/kg

 

15-20単位/kg

20-30単位/kg

40-50単位/kg

30-40単位/kg

15-20単位/kg

10-15単位/kg

15-20単位/kg

15-20単位/kg

30-40単位/kg

 

1-2回/日,1-3日

1-3回/日,3-5日

1-2回/日,1-3日

1-2回/日,1-3日

 

2-3回/日,1-2週

1-2回/日,2-3日

2-3回/日,3-5日

 

1-2回/日,2-3日

2-3回/日,3-7日

経過観察

2-3回/日,1-2週

1-2回/日,3-5日

1-2回/日,1-2日

1-2回/日,1-2日

1-2回/日,2-3日

1-2回/日,2-3日

2-3回/日,5-7日

*1 最初は十分な飲水で2日間観察してよい *2 原因対策も行う

7-6-2.血友病Bの場合
● 血友病Bの場合は【表7-1】で1回の輸注単位量を倍にし、1日の輸注回数を半分にします。

7-7.持続輸注法
7-7-1.概念
● 凝固因子製剤を前述のように間歇輸注すると、体内の凝固因子活性は、輸注直後が最も高く、輸注直前が最も低くなり、この2つの活性値の間で上下することになります。しかし凝固因子を持続輸注することにより、体内の凝固因子活性を一定になり、患者はより健常人に近い状態となり効果的な止血が得られます【図7-11】。

● 持続輸注は間歇的に輸注する(ボーラス輸注)に比べ経済的であると報告されています。
● この2点より1)手術時、2)安静臥床が必要な大出血、3)インヒビターがある患者での大出血の際、等で行われます。
● 凝固因子製剤の添付文書には、『溶解後3時間以内に使用のこと』と明記されていますが、モノクローナル抗体精製の製剤、リコンビナント製剤は溶解後24時間以内ならば室温でも安定であることが証明されています。
● コンファクトFやファイバの溶解後の安定性は不明で、これらの製剤の持続療法は避けるべきです。
7-7-2.持続輸注法の実際
7-7-2-1.凝固因子クリアランスと分布容積
● 凝固因子クリアランス(clearance)[単位/kg/時間]:輸注された凝固因子は脾臓で処理されたり、出血部位で消費されたりして血漿内から消失していきます。血漿の凝固因子が1時間あたり、体重1kgあたり消失していく単位数をクリアランスといいます。
● 凝固因子分布容積(Vd:volume of distribution)[単位/ml]:輸注された凝固因子製剤が分布する血漿の量を表します。輸注量を体内の血漿量で割った値です。第[因子のVdが0.5単位/mlの人に1500単位の製剤を輸注すると、3000mlの血漿中に製剤が分布することになります。手術などで出血が多くなると血漿以外にも凝固因子が分布するため、見かけのVdは大きくなります。第\因子は血管内皮細胞に結合しやすいため、そのVdは第[因子より大きくなります。また遺伝子組み換え第\因子のVdは、血漿の第IX因子に比べ大きくなることも分かっています。
7-7-2-2.持続輸注量の決定
● まず患者に輸注試験を行い、回収率と半減期を求め、時間当たりの凝固因子クリアランスを計算します。
● 凝固因子クリアランスに目標活性値(100%を1とした時の小数の値)を掛ければ、1時間当たりの輸注量が計算できます。

時間輸注量(単位/Kg/時間)=クリアランス(単位/Kg/時間)×目標活性値(小数表示)
● 凝固因子クリアランスには個人差はありますが、一般にインヒビターのない患者では第[因子で3〜4単位/kg/時間であり、第\因子は4〜5単位/kg/時間です。
7-7-2-3.持続輸注の実際
● 目標とするレベルを得るために必要な製剤量をボーラスで1回輸注後、クリアランス値を指標に、シリンジポンプなどを用いて持続輸注します。多くの場合,細胞外液を持続点滴しながら,側管から三方活栓に接続して輸注します。
● シリンジポンプの誤差を考慮すると,1ml/時間以下の輸注速度は避けます。ですからコージネイトFSのように量が少ない(単位数にかかわらず2.5ml)製剤は,小さい単位数の製剤を選択するか,注射用蒸留水にて2〜4倍希釈して使用します。
● 文献では中心静脈から輸注している報告が多いですが、末梢から輸注しても効果は同じです。
● 止血すれば凝固因子の消費が減少するので、凝固因子クリアランスが低下してきます。そのため同量同速度で輸注しても徐々に患者の凝固因子活性が上昇してくる現象が起こります。
● インヒビターのある患者では3〜7日以降にインヒビター価が急に上昇することがあります。そのため持続輸注中は凝固因子活性をモニターしておく必要があります。
● 第\因子は第[因子と比較すると、そのVdやクリアランスが高くなります。そのため持続輸注量は多くなり,経済的とは言えません。逆に半減期は長いため,血友病Bの患者では出血量が多くなるような大きな手術でなければ、必ずしも持続輸注による出血コントロールが必要ではありません。
● 第[因子または第\因子活性の結果を直ちに得ることができない施設では、最初のボーラス輸注直後80〜100%の因子活性が得られたときのAPTTを基準にモニタリングするなどの工夫を行うと良いでしょう。

7-8.その他の薬剤など
7-8-1.合成バゾブレッシン(DDAVP:デスモプレシン(協和発酵))
●適応は1)軽症血友病A、2)タイプIとUAのvWDです。本剤は血管内皮細胞に作用して第[因子/vWF複合体の循環血への放出を促します 。
● 使用法は、0.4μg/Kgを約15分以上かけて静脈注射です。点鼻剤もありますが保険適応がない上,効果も今ひとつです。
●30分後をピークにした第[因子活性がベースラインの2〜5倍に上昇し、その半減期は凝固因子製剤の輸注時のものとほぼ同じです。輸注時の顔部紅潮が出現することがあり、時間をかけて輸注するなど注意が必要です 。
● 輸注を繰り返すと、第[因子活性の上昇反応が悪くなることがあります。これは血管内皮細胞でのvWFの産生の遅れが原因と考えられています。ある程度の間隔をおけば反応も改善し、また使用できるようになります。
● 血液製剤の使用を避ける意味で,軽症の場合使用を試してみてもよいでしょう。
7-8-2.抗線溶剤
● 口腔内、消化管粘膜などはもともと線溶反応が亢進しているので、抗線溶剤であるトラネキサム酸(商品名:トランサミン、第一製薬)を併用すると良好な止血が得られます。
● 使用方法は口腔内出血の場合,注射用トランサミンをブドウ糖液に溶解し、それで頻回に軽くうがいします。内服も可能ですが、トランサミンの半減期は約3時間のため有効血中濃度を保つには成人の場合2カプセルを一日に4〜6回程度の服用になります。
● 術後や消化管出血、腹腔内出血などの大出血の止血に凝固因子の補充だけでなく、抗線溶剤を併用すると止血しやすいと言われています。使用法はトランサミン4〜6g/日を、4〜6回/日に分けて静注します。
●ワンショット静注も可能ですが、一過性に悪心、悪寒、口腔内違和感、色覚異常が出現することがあるので注意を要します 。
● 血尿の際にトランサミンを使用すると尿管内で血塊が溶解せず、水腎症を来す可能性があります。使用してはなりません。このことは医薬品の添付文書に掲載されていませんが、血友病診療の関係者は知っておかなければなりません。
● 抗線溶剤の使用により血栓ができやすく梗塞を引き起こす可能性があるとして、心血管の術後、脳出血の止血には使用を避ける専門医もいます。
7-8-3.鎮痛剤
● 血小板機能を抑制する薬剤(アスピリン、インドメサシンなど)の全身使用は原則的に禁忌です。痛みが強い場合ではメフェナム酸、ロキソプロフェンなどを頓用で使用しても構いません。
● 外用剤(インドメサシン軟膏、フェルデン軟膏など)はほとんど問題なく使用できます。
● 骨折や急性関節血腫などの激痛に対して、麻薬または合成麻薬系統の薬剤を用いることがあります。成人では、ペンタゾシン7.5〜15mgを20mlの生食またはブドウ糖液に溶解してゆっくり静注します。また26Gの細い針で腹壁などに皮下注射することもあります。連用による薬物依存が起こることがあるので、注意が必要です。
7-8-4.ステロイド剤
● 難治性の血尿等に用いると軽快することがあります。機序は不明です。
● 使用量は0.5〜1.0mg/kg/日を3〜5日間です。慢性B型肝炎、慢性C型肝炎の患者では急に中断すると肝炎の重症化が起こる場合があるので注意が必要です。
7-8-5.局所安静
●正常人でも外傷後に局所の安静を保たないと治るのに時間がかかります。血友病患者は凝固因子製剤を輸注したからと言って必要な安静を怠ってはいけません。RICE(rest=安静、ice=冷やす、compression=圧迫、elevation=挙上)は出血時の補助的治療法として重要です 。
●関節内出血・筋肉血腫の場合、関節・筋肉の痛みと腫れがなくなるまで当該部をできるだけ動かさないことが大切です。その期間は飲酒や入浴は避けます 。
●インヒビターのない患者で輸注しても治癒困難な場合のほとんどが、充分な安静をとらずに再出血をしていると言われています 。