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5-1.血友病の遺伝について |
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5-1-1.伴性劣性遺伝 |
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● 血友病の遺伝形式は伴性劣性遺伝です。第VIII因子、第IX因子をコードする遺伝子は性染色体のX染色体に存在し、その部位に異常があると血友病患者、あるいは保因者となります。 |
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● ヒトの染色体は常染色体が22対の44本と性染色体が2本の計46本あります。男性はX染色体を一つしか持っていません(もう一つはY)が、女性はX染色体を二つ持っています。一つが異常でももう一つが正常であれば発病しません。それが保因者です。 |
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● 血友病の遺伝形式を下【図5-1】に示します。 |
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【図5-1 血友病の遺伝】 |
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5-1-2.保因者とは |
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● 保因者とは、血友病患者ではないが血友病患者を産む可能性のある女性を指します。絶対保因者と可能保因者に分類されます。 |
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《絶対保因者(Obligate Carriers)》 |
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1) |
血友病の父親から生まれた娘 |
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2) |
2人以上の血友病患児を出産した母親 |
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3) |
1人の血友病患児を出産し、また母方家系に確実な血友病患者のいる女性 |
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《可能保因者(Possible Carriers)》 |
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1) |
母方血縁に血友病患者がいるが血友病患児をまだ出産していない女性 |
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2) |
1人の血友病患児を出産したが、家系には血友病患者がいない女性 |
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5-2.保因者診断 |
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5-2-1.止血検査に基づく診断法 |
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● 凝固因子活性と凝固因子関連抗原蛋白の測定結果を、多変量解析の一法である判別分析にかけると、保因者である可能性の確率を求めることができます。 |
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● 第VIII因子活性の正常域は50〜200%、第IX因子は70〜130%です。保因者の凝固因子の活性はその約半量ですが、特に第VIII因子は変動域が広いため1回では不確実です。 |
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● ABO式血液型別の第VIII因子活性の中央値は、およそO型80%、A型とB型で100%、AB型で120%です。第IX因子はABO式血液型による差を認めた報告はありません。これは第VIII因子と結合するvWF(フォン・ビレブランド因子)の量が、ABO式血液型により差があるからだと言われています。 |
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● 第VIII因子は月経周期で増減があるので数回測定して判断します。 |
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● 絶対保因者でも妊娠中には第[因子は増加しますので、診断のための採血には適しません。 |
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5-2-2.遺伝子診断 |
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● 遺伝子多型を見て診断します。具体的にはリンパ球からDNAを抽出し、制限酵素による切断断片の泳動パターンで診断する(RFLP)方法が用いられています。
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● この方法は本人、両親を含めた家族を同時に測定する必要があり、また全例で証明できるわけではありません。日本ではごく限られた施設でしか実施されていません。 |
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5-3.遺伝相談 |
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5-3-1.遺伝相談の概要 |
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● 遺伝性疾患であることが本人や家族(クライエント)に及ぼす心理的影響を十分配慮する必要があります。遺伝子診断検査を行う場合は前後で十分なカウンセリングを行うことが勧められます。 |
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● 医療者は、「血友病患者・保因者は不幸だ」「病気の子供を産むべきでない」など固有の価値観を押しつけてはいけません。これまでわかっている医学的な情報を伝えることと、クライエントの意志を尊重することが大切です。 |
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● クライエントが抱いている血友病に対するイメージがネガティブなものであることがあります。心理カウンセラーの援助を得られることが大切です。さらに他の患者や家族、保因者の話を聞くことができれば役立つことがあります。 |
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5-3-2.出生前診断 |
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● 妊娠20週までに臍帯血(胎児血液)を採取し、その凝固因子活性や遺伝子を検査することにより胎児が血友病かどうかわかる検査です。 |
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● 胎児が血友病の場合にどのような対処をするのか、あらかじめしっかり話し合って決めておく必要があります。また臍帯血採取の際の出血のリスクもあります。それらの問題を十分理解、納得した上で専門機関に紹介します。 |
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● 例え血友病患者として生まれてきても、凝固因子製剤で出血をコントロールできますし、遺伝子治療の研究も進み、将来“血友病は治る”疾患になる可能性があります。このような情勢を考えると出生前診断の医学的意義は大きいとは言えないかもしれません。 |
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