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4-1.重症度と出血エピソード |
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4-1-1.重症度 |
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4-1-1-1.重症・中等症の場合 |
● 血友病の重症度は,その凝固因子活性の値によって分類されます。ですから,血友病性関節症がひどいから重症,というわけではありません。
重症:<1%,中等症:1〜4%,軽症:5〜40%
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●検査の誤差などがあるため,1回のみの値で重症度を決定するのではなく,2?3回測定し一番低い値で決まります。
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● 生涯重症度は変わりありませんが,軽症の場合は加齢と共に活性値が上昇することがあります。
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4-1-1-2. 出血エピソード |
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4-1-2-1.重症・中等症の場合 |
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● 初発症状は、重症の患者で出生時の産瘤が大きいことや、臍帯部出血、そして稀ですが新生児期の脳出血で気づかれることがあります。 |
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● 歩行が始まる生後1年くらいの時期に、転倒して顔面などの打撲部血腫や紫斑で気づかれ、診断に至るケースが一般的です。 |
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● 血小板の数や働きは正常ですから、血小板の異常に特徴的な点状出血は起こりません。 |
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4-1-2.家族歴 |
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● 歯が生えてから(生後6ヶ月以降)は口腔内出血、幼児期になると足関節出血や筋肉血腫の深部出血が増えます。 |
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● 学童期になると肘関節、膝関節出血の頻度が増えます。鼻出血、血尿を繰り返す場合もあります。 |
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4-1-2-2.軽症 |
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● 関節出血は稀で、スポーツ活動も変わりなくできます。 |
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● 外傷後の筋肉内血腫や手術・抜歯後の止血困難で初めて気づかれることがあります。 |
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● 診断確定の年齢が高いことも軽症例の特徴です。手術前スクリーニング検査に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を実施しなかったため、血友病と分からず手術をされた患者もいます。 |
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4-2.問診・身体所見 |
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● 問診は,家族歴が重要です。伴性劣性遺伝なので、母方や娘の家系を特に念入りに聞き取ります。 |
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● 四肢周径(上腕、肘関節、前腕、大腿、膝関節、下腿)を測定して、筋肉の萎縮の程度をみます。
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● 経時的変化を見るためには、同じ場所の周径を計る必要があります。大腿では膝蓋骨上端から何p、下腿では膝蓋骨下端から何cmの場所というようにいつも同じ場所で測定します。 |
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● 関節可動域(ROM)測定、徒手筋力テストなども定期的に行います。 |
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● 慢性肝炎、HIV感染症合併患者では、全身的な理学的所見が必要なことは言うまでもありません。
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4-3.検査所見 |
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4-3-1.止血・凝固系 |
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《主な検査のポイント》
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● 血友病患者は血小板数や出血時間、プロトロンビン時間(PT)は正常です。 |
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● aPTTは延長、第[因子または第\因子活性は恒常的に低下します。できるだけ数回測定し、最低値で重症度を決定します。 |
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● インヒビター検査は初診時には必ず実施します。また初回の製剤使用から6ヶ月までは原則として毎月実施します。インヒビター保有患者はその値の推移を見るために、3〜6ヶ月に1回実施します。バイパス療法でレセプト記載時に必要です。インヒビターがない患者も年1回は実施して、インヒビターの発現の有無を見ます。
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● インヒビター検査の詳細は(第11章)後述します。 |
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4-3-2.凝固因子製剤の輸注試験【図4-1】 |
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● 体重、ヘマトクリットから循環血漿量を算出し、凝固因子活性を50%以上に上昇させる量,または40 単位/kgを輸注します。 |
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●輸注前、輸注15分後または30分、(1)、2、4、(8)、12、(18)、24、(48)時間に採血をして、aPTTと因子活性を測定します( ( )内の時間は省略可)。 |
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● 片対数グラフで縦軸に対数尺の活性値、横軸に時間をプロットします。
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● 輸注直後の凝固因子活性値を期待値で割ったものが生体内回収率で、50%以下の場合インヒビターの存在を疑います。 |
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● 輸注直後の凝固因子活性値が半分になる時間が半減期で、第[因子の場合12〜16時間、第\因子の場合は18〜24時間です。 |
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【図4-1:凝固因子製剤の輸注試験】 |
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● 凝固因子活性は、直後から約2〜4時間までに急に低下し(I相)、その後なだらかに低下していきます(U相)。T相から時間凝固因子クリアランスも求めることができます。
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● 回収率が低いこと、半減期が短いことによりインヒビターに気づくことがあります。 |
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● 輸注試験はインヒビターがない患者の場合,待機手術をする前には必ず行います。結果より凝固因子クリアランスを算出して,持続輸注の輸注量の参考にします(詳細は後述)。 |
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4-3-3.画像検査 |
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● 骨・関節レントゲン検査の撮影部位は肩、肘、股、膝、足関節です。評価はアーノルド分類
《表2》やデパルマ分類《表3》で行うのが一般的です。成人では年に1回、出血頻度が多い関節では年に2回行います。 |
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● 深部の出血(腸腰筋出血、腹腔内出血など)には超音波、CT、MRI検査が有用です。 |
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《表4-1:Arnold 分類》 |
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Stage T |
関節内血腫、軟部組織の腫脹で骨変化なし |
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Stage U |
骨端の過成長、骨粗鬆 |
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Stage V |
軟骨下嚢胞形成、組織変化 |
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Stage W |
関節裂隙の狭小化、軟骨の破壊 |
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Stage X |
滑膜組織の破壊、関節裂隙の欠損、関節可動域の著明な減少 |
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《表4-2:DePalma分類》 |
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Grade 1 |
関節周囲軟部組織の陰影増強 |
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Grade 2 |
骨端部の骨萎縮と過成長 |
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Grade 3 |
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1)骨端部の変化 |
2)関節裂隙狭小化 |
3)軟骨下嚢胞形成 |
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4)骨棘形成 |
5)関節裂隙の部分消失 |
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*上記のうち2項目まで満たすものをA、4項目までをB、全項目を満たすものをCに亜分類する(桧山分類)ものもある |
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Grade 4 |
関節裂隙の完全消失 |
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4-3-4.その他の血液検査 |
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● 以下のものが挙げられます。 |
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1) |
血液型(初診時) |
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2) |
不規則抗体(初診時、輸血後) |
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3) |
HBVマーカー、HCVマーカー(初診時、もしキャリアであればサブタイプ検査、またHCV-RNA定量は年1〜2回) |
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4) |
HIVマーカー (HIV感染者についてはCD4実数、HIV-RNA定量を1〜3ヶ月に1回) |
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5) |
肝機能検査(年に1〜12回)や血液・免疫機能検査(年に2〜12回)など |
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6) |
インヒビター検査(数ヶ月〜半年に1回程度) |
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