2-1.血友病の概念
● 血友病は、出血した時に止血に必要な「凝固因子」の量が、生まれつき(先天性)少ないか、あるいは働きが悪い病気です。
● 一旦出血をすると、血が止まりにくく出血が続いてしまいます。
● 通常凝固因子を補充することにより、健常者と同じ止血が得られます。

2-2.止血
下に止血のしくみについて図示します【図2-1】

2-3.凝固因子
● 止血の仕組みの中で血小板と共に作用し、しっかりとした血塊(血餅、または凝固血栓)をつくるもので、血液の血漿に含まれる蛋白質です。
 十数種類あります。
● ほとんどは肝臓の細胞で作られ、ある割合で毎日入れ替わっています。
● 凝固には、血管外の組織因子が血管内に流入して始まる外因系凝固と、血管内の凝固因子の活性化から始まる内因系凝固があります。
 この二つの凝固ルートは途中で合流してフィブリンが形成され、最終的に凝固血栓を作ります。
● 血友病Aでは凝固第[因子が、血友病Bでは凝固第\因子が先天性に欠乏・欠損しています。
● 血友病以外にもそれぞれの各凝固因子の欠乏による疾患があります。

2-4.血友病の原因、頻度、症状
2-4-1.原因
● 伴性劣性遺伝による先天性疾患です。つまり母方のX染色体の第VIII因子または第IX因子の遺伝子部位に異常があり、
 それが]染色体を1本しかもっていない男の子に受け継がれて、血友病を発症します。
● しかし患者の約3割に家族歴がないので、遺伝子の突然変異により血友病を発症した例も多くあると考えられます。
● 血友病の遺伝についての詳細は第5章で述べます。
2-4-2.頻度
● 凝固因子異常症全国調査2000年度の報告によると、日本で血友病Aが3,685人、Bが786人確認されています。
● 報告されていない人数を考慮すると、頻度は男性1万人に対し、0.8〜1人です。
2-4-3.症状【図2-3】

【図2-3:血友病にみられる出血】

 関節内出血(左膝)

皮下まで広がった筋肉内出血(左前腕)

● 簡単に言えば、「出血が止まりにくい」病気で、「自然に出血する」ことはありません。
● 関節内や筋肉内出血が主な症状です。また血尿や口腔内出血もしばしば見られます。
● 多くの場合、打撲や使い過ぎなどの出血の原因があります。またわずかな出血で健常人なら安静にしなくても自然に止血できる場合でも、
 止血困難なため大きな血腫になることもしばしばみられます。
● 軽症血友病の場合は、関節内出血はほとんどみられず、外傷や手術の後に血腫ができるなどの止血困難で見つかるケースが多いです。